『理科系の作文技術』を読んだ

『理科系の作文技術』は、1981年に刊行され、100万部以上売れている超ロングセラー。

感情に訴える作文に比べ、論理的な文章を書くのが学生時代から得意でなかったので、ブログ含め自分の文章のレベルアップのために読んでみた。

個人的に特に気をつけたいと思ったのは以下の点。

  • 文書では、事実と意見を明確に区別して書く
  • 文は一義的に読めるようにする(他の意味に解釈できないように)
  • ぼかした表現を避ける(思われる、考えられるなど)
  • できるだけ普通の日常用語を使う
  • 一文はなるべく短くする
  • 文書の目的、読者が何を期待しているか考える
  • 一文書一テーマに絞る
  • 一貫して明確な目標意識を持って書く
  • タイトルは、的確に内容を示す具体的なものでなければならない
  • 「事実」を記述するとき主観に依存する修飾語を入れない
  • 書かなくてもいいことは省く
  • 受身の文は少ないほどいい(できるだけ能動態を使う)

以前広報関係の仕事をしていた時期があり、普段から意識していたこともあったが、あらためて気をつけたいと思った。

漢字の使い方については、表記ゆれをなくしたい自分の考え方とは一部違ったが、漢字の割合を一定にしたいという考え方もあるのだなと勉強になった。

「事実」と「意見」の違い

読んでみていろいろな発見があった中で、特に印象に残ったのが「事実」と「意見」の違い。今まで意識したことがなかったが、大事な視点だと思った。

上の文章は、アメリカの小学5年生の教科書からの引用ということで紹介されている。上は「意見」で、下は「事実」だ。アメリカでは、意見と事実の区別を繰り返し学ぶらしい。

ブログだとこんな感じだろうか。

  • こう書いて実行すると、こうなります。
  • こう書いて実行すると、こうなって簡単です。

上は「事実」だが、下は「簡単」だという「意見」が含まれている。簡単かどうかの判断基準は人によって異なる。

事実とは、証拠をあげて裏づけできるもののこと。

このように書いてしまうと、読み手が事実だと思ってしまう可能性がある。「私は〜と思う」というように、意見は意見として明確に区別して書く必要がある。

パラグラフ

パラグラフは、全体としてあるトピックについてある一つのことを言うもの。パラグラフの頭に書くことが多い(日本語だとそうならない場合も多い)。トピックセンテンスだけを並べると、文章全体の要約になるはずである。

パラグラフには、トピックセンテンス(そのパラグラフで何を述べるかの概論的な一文)とトピックセンテンスの内容を詳しく説明する文、他のパラグラフとのつながりを示す文しか入れてはいけない。反論やトピックセンテンスと関係のない文を入れてはいけない。

パラグラフについて深く考えたことがなかったので勉強になった。ブログにすぐいかせそう。

オブジェクト指向

1文は短く、短く。 それらを論理的につないでいく。 「その文の主語は何か」を常に意識する。

読みながら、あれ、オブジェクト指向の勉強してるんだっけ、と思った。

オブジェクト指向のイメージとして、メソッドは小さく分けて単一責任に、主語(クラス)を常に意識する、というのがあって、考え方として通ずるものを感じずにはいられなかった。

初心者が考えるオブジェクト指向設計のポイント(Ruby) - No Solution for Life


後から知ったが、まんが版もあった。まんがでもよかったな〜

まんがでわかる 理科系の作文技術